PICKUP

ピックアップ

省エネ等級は気にするべき?

2022年10月に省エネ等級が新設され、省エネ志向の高まりやエネルギー政策の変化により、消費者が省エネ等級に注目することが増えています。

今回は省エネ等級の意味や注意点などについて解説し、省エネ等級をどのように見るべきかについて考えていきましょう。

省エネ等級とは何か?

省エネ等級の評価項目は2つあります。

(1)断熱等性能等級

高い断熱性を持つと評価された住宅に与えられる基準です。

住宅の断熱性能について、暖房器具に使用するエネルギーの削減量をどの程度減らせるかという指標で評価されています。

等級は7段階で設定されており、数値が高いほどより断熱性能が高くなっています。

等級の基準となるのは「UA値」という数値。

UA値とは「外皮平均熱貫流率」のことで、住宅内部から外壁・屋根・開口部を通じて逃げる熱量を外皮全体で平均した値です。

UA値が低いほど家の中の熱を逃がしにくいということになり、等級は高くなります。

(2)一次エネルギー消費量等級

簡単にいうと住宅が一年間に消費するエネルギー量のことで、その量を基準として等級が決まります。

一次エネルギー消費量の指標となるのが「BEI」です。

BEIは「設計一次エネルギー消費量」÷「基準一次エネルギー消費量」で求められます。

基準一次エネルギー消費量は、「標準的な仕様の性能を有している場合のエネルギー消費量」で、設計一次エネルギー消費量は、「設計時の省エネ設備や建材を用いた際のエネルギー消費量」のことです。

設計一次エネルギー消費量が基準一次エネルギー消費量より小さければ、より省エネ基準に適合していることになります。

等級は6段階で設定されており、数値が高いほど省エネ性能が高いとなっています。

省エネ等級が高い場合のメリットとデメリット

断熱等性能等級が上がると室内環境が快適になる

断熱等性能等級が上がるとUA値が小さくなります。

つまり、室内と外気の熱の出入りがしにくくなり、外気の温度が室内に伝わりにくくなるので、冷暖房器具を効率敵に使うことができます。

夏は設定温度が高めでも涼しいと感じますし、冬は設定温度を低めにしていても暖かいと感じて快適に過ごすことができます。

補助金を受けられる可能性がある

断熱等性能等級の高い住宅を新しく建てる際には、行政から補助金が下りる可能性があります。

ただし、「県産の木材を〇%以上使用していること」といった条件がある場合もあるので、各自治体等に確認しましょう。

等級を上げると建築費用も高くなる

断熱等性能等級を高くする設計をすると、必要な断熱材の仕様や厚さが変わってきます。

つまり建築費用が高くなるということです。

例えば新築2階建て住宅で断熱等性能等級が5の建物を考えている場合、この建物の断熱等性能等級を6にしようとするとプラス約100万円、断熱等性能等級を7にしようとするとプラス約200万円以上のコストがかかります。

法改正により断熱等性能も一次エネルギー消費量も等級4が最低限の水準

2022年10月に断熱等性能等級が7段階になりましたが、法改正により2025年4月以降は全ての新築住宅に断熱等性能等級4以上、一次エネルギー消費量等級4以上が義務づけられます。

新築住宅に関しては、等級4が最低限の水準になるということです。

2022年4月に断熱等性能等級5が新設される前までは最高水準だった断熱等性能等級4が、一気に最低水準になります。

また、法改正以前の建物、特に断熱等性能等級3は注意が必要です。

断熱等性能等級3の住宅は最低限の省エネレベルを満たしていないですが、法律違反になるわけではありません。

しかし今後の基準の変更が分かっている現在であれば、住宅を購入される際に断熱等性能等級4以上を選ぶほうが良いでしょう。

ZEH(ゼッチ)について

ZEHとはネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略です。

作り出したエネルギーで消費するエネルギーを補う住宅を指します。

高効率の空調や照明・給湯器といった省エネ設備で消費エネルギーを節約すると同時に、太陽光などの発電システムで電気をつくることで年間の消費エネルギー量を実質ゼロにします。

ZEH住宅であると認められる等級としては、一次エネルギー消費量等級が6で、これは現行の省エネ基準をさらに20%以上削減している基準となっています。

断熱性能等級は5が基準となり、UA値は0.4以下(北海道の場合)が求められます。

ZEH基準は各等級が高いため、特別に高性能な省エネ住宅と思われるかもしれませんが、国としては2030年までにこのZEH基準を最低水準にすることを目指すと目標を掲げています。

そのため、省エネ住宅は今後ZEHが基準になると考えていくと良いでしょう。

まとめ:省エネ等級は気にするべき

省エネ等級は気にするべきか?と言われると、当然ながら気にするべきでしょう。

今後の新築住宅の基準として高い省エネ等級が求められており、住宅性能の向上は災害対策やCO2削減といった国の重点政策と深く結びついています。

世界レベルで見れば日本の省エネ基準はかなり低く、今後さらに基準の引き上げがおこなわれる可能性が高いと思われます。

しかしコスト面が大きくのしかかってくるのも事実です。

理想の生活や住宅を考え、予算内に納めるのは難しいこともあるでしょう。

そのため、ハウスメーカーや建築士とよく相談し、家族とも今後についてよく考え、納得のいく結論にたどり着けるようにしましょう。

カテゴリ

イベント ハウスメーカー 土地探し 間取り・デザイン お金のこと お家づくりの基本 イエマッチについて

オススメ記事

イエマッチ!のつかい方をご紹介! | かんたんおうちづくりを始めよう
2023.02.07
イエマッチについて

イエマッチ!のつかい方をご紹介! | かんたんおうちづくりを始めよう

モデルハウス見学ではここをチェック!モデルハウス見学のポイント
2023.02.07
お家づくりの基本

モデルハウス見学ではここをチェック!モデルハウス見学のポイント

モデルハウス見学行くなら必見!事前の準備や知っておくべき知識をご紹介
2023.02.09
お家づくりの基本

モデルハウス見学行くなら必見!事前の準備や知っておくべき知識をご紹介